切手買取相場

「自宅を整理していたら大量の珍しい切手が出てきたから、買取相場を知りたい」

「額面以上で売れるプレミア切手もあるらしいけど、どんな切手が高いの？」

昭和40年から昭和50年ごろまで起こった切手ブーム。そのとき、家族の誰かが集めた切手が大量に出てくることも珍しくありません。「自分では使わないし、残しておいても仕方ないので売ってしまいたい」という気持ちになりますよね。

ただし、切手に興味がなくても買取相場を知ってから売りに出すのがいいです。業者から安く買われてしまう恐れがあります。買取価格を交渉するのも難しいです。

そこで、本記事では切手の種類ごとに買取相場を調べてまとめました。切手専門の買取業者だけでなく、金券ショップも含まれているので参考になるでしょう。

他にも、「高く売れる切手の特徴」「切手をより高く売るための方法」も分かります。ぜひ最後までお読みください。

切手の買取相場はどれくらい？｜【種類別】金券ショップを含めた5つの買取業者で比較

切手を扱っている買取業者や金券ショップの切手買取相場を表にまとめました。ただし、買取価格を一覧で出している業者は少ないため、表中には買取相場として業者の買取実績を含めています。

詳細な切手の内訳や枚数が分からない部分もあります。参考としてご覧ください。

普通切手

現在一般的に流通している普通切手は1円切手から500円切手まで16種類あります。慶弔時用切手も含めると20種類です。普通切手の買取はバラよりも100枚組などのシートの方が相場が高いです。

バラ切手の場合、額面の50%～60%で買取されますが、シートであれば額面の80%～90%の買取率になります。本記事では、84円、320円、500円の現行普通切手100面シートの買取価格を表にまとめています。

◎現行普通切手100面シートの買取価格

業者名	84円	320円	500円
有馬堂	6,636円	25,600円	40,250円
チケッティ	6,888円	25,920円	41,000円
チケットレンジャー	6,888円	26,240円	42,000円

※有馬堂は買取率を表示していたので、額面金額に買取率をかけて金額を出しています。

ちなみに、日常的に使われていない古い普通切手（昭和・大正・明治）では次のような買取相場となっています。未使用バラ1枚の価格です。

業者名

切手の名称：買取価格

有馬堂

◎昭和

第1次新昭和切手清水寺 2円：100円

第1次新昭和切手梅花模様100円：3,000円

昭和すかしなし切手電気炉100円：18,000円

◎大正・明治

竜切手竜文切手銭四十八文第1版：22,000円

菊切手 1円：10,000円

田沢切手大正白紙切手1円：64,000円

見慣れない普通切手があれば、高価買取になる可能性があるので事前に確認をしてください。

記念切手

記念切手とはオリンピックや万博など国家的な事業を記念として発行された切手です。日本の最初の記念切手は明治天皇銀根記念だと言われています。1894年3月9日に発行されました。記念切手は発行枚数や販売期間に限りがあるため、普通切手よりも希少な切手になりやすいです。

◎記念切手の買取相場

業者名	切手の名称：買取価格
有馬堂	大正銀婚記念 20銭：3,000円切手趣味週間記念見返り美人小型シート：15,000円郵便週間記念月に雁小型シート：31,000円
福ちゃん	立太子礼記念、見返り美人など：62,000円 ※買取実績
バイセル	郵便創業記念（鉄道郵便）など：100,000円 ※買取実績

年賀切手

年賀切手はその名の通り、年賀状のやり取りをするために発行される特殊切手です。普通切手よりも発行枚数は少なく、色使いもカラフルで縁起のよい図柄もあり、人気がある切手です。

初めて発行された「富士山」、可愛らしいデザインの「少女と兎」など高値で取引される切手もあります。

◎年賀切手の買取相場

業者名

切手の名称：買取価格

有馬堂

昭和26年少女とウサギ小型シート：3,000円

1957年用年賀切手翁の面 20面シート：15,000円

1936年用年賀切手富士山 20面シート：50,000円

福ちゃん

応挙のとら」の小型シート2枚：6,500円

中国切手

中国切手は文化大革命の影響で高値で取引される切手も多いです。1966年から76年の文化大革命時は趣味で切手を集めることが禁止されており、それ以前に発行された多くの切手が失われてしまいました。そのため、現存数が少なく希少になっているのです。

また、中国人の富裕層が投機目的で中国切手を大量に購入していることもあり、相場上昇が続いています。

◎中国切手の買取相場

業者名	切手の名称：買取価格
有馬堂	金魚シリーズ 12種完：38,000円年賀切手申 8分赤猿子ザル：165,000円毛主席の最新指示 5種連刷：430,000円
福ちゃん	干支セット 12種：134,000円
バイセル	徐悲鴻莽馬切手など：1,000,000円

特殊切手

年賀切手も特殊切手の一つですが、他にも「おもてなしの花」「国宝」「世界遺産」などシリーズ化された特殊切手があります。浮世絵といった伝統的な文化だけでなく、現在の漫画やアニメなど様々な日本の文化をテーマとしているのも特徴です。

シリーズ化、特別なデザインなどコレクターにとっては集めたくなる要素が多く、特殊切手も高額で取引される傾向があります。

◎特殊切手の買取相場

業者名	切手の名称：買取価格
有馬堂	国際文通週間蒲原 20面シート：16,000円日本平からの富士 20面シート：220,000円
福ちゃん	文化人シリーズ切手シート：22,000円
バイセル	20世紀デザイン切手など多数：74,500円

プレミア切手

最後に額面以上に価値がある有名なプレミア切手の買取相場を紹介します。プレミア切手は「要問い合わせ」になっているなっていることが多いです。業者別ではありませんが、相場をまとめたのでこちらの切手をお持ちであれば、切手買取業者に査定を依頼しましょう。

◎プレミア切手の買取相場

切手の名称	買取相場
見返り美人切手※１	バラ：500円～シート：5,000円～
月に雁切手※２	バラ：5,000円～7,000円シート：2万円～3万円
ビードロを吹く娘切手※３	バラ：100円ほどシート：数千円
市川海老蔵※４	シート：7,000円ほど
「赤猿（子ザル）」	バラ：100,000円前後

※１出典：「バイセル」https://buysell-kaitori.com/

※２出典：「モノループ」https://monoloop.jp/

プレミア・高額になりやすい切手の特徴とは？高く売るために適切な切手の買取相場を知ろう

切手は額面以上で売れる場合もあります。高く売れる切手にはどのような特徴があるのかをここで解説します。

バラよりもシート

バラよりもシートの方が現存数が少ないので高くなりやすいです。切手を使用するために購入するときは、シートよりもバラで購入する人が多いです。そのため、シートから切手が切り離されてしまいます。

それから、バラは目うち（切手間のミシン目）が不ぞろいになるので、コレクターには敬遠される傾向があります。また、業者にとってシートの方が数え間違いを防げるし、買取後の管理をしやすいメリットもあります。

なのでシートの切手があればシートのまま売るようにしてください。ただし、シートでも余白に切れ目があったり、破れや汚れがあると価値が下がるので注意しましょう。バラ扱いになることもあります。

発行枚数が少ない切手

希少性があるので高額になりやすいです。

例えば、「愛知万博寄付金付き切手」のパビリオン版は発行枚数が切手として有名です。9種のパビリオンごとにそれぞれ5万シートずつしか発行されませんでした。80円切手が10枚なので額面は800円ですが、現在でもネットオークションでは2,000円ほどで取引されています。

ちなみに、愛知万博に行かなくても、全国の郵便局などで購入できた全国版は225万シートの発行でした。記念切手の発行枚数は日本郵便のホームページでチェックできます。発行枚数が少なければ高値になるチャンスです。

きれいな絵柄の切手

きれいな絵柄の代表格は、浮世絵の図柄の見返り美人やビードロ切手などです。きれいな絵柄の切手はコレクターに好まれるし、有名な作品は外国人からの人気もあるので高くなります。

アニメや漫画の切手

切手のコレクターだけでなく、アニメや漫画ファンの需要もあるので高くなる傾向です。懐かしのアニメでは「マジンガーZ」「ベルサイユのばら」、近年のアニメでは「ドラゴンボール」「名探偵コナン」などがあります。

また、ポストカードやクリアファイルなどの付属品が付いている切手もあり、付属品がそろっていればより高額になりやすいです。

さらに、マニアはコレクションとして集めるので一度手に入れた切手を手放さないことが多いです。だから、市場に出回りづらくなります。市場にないから高くなるという循環になるのも、アニメや漫画切手の特徴です。

特別な日の消印が入った切手

使用済みの切手でも消印の日付次第で高くなります。例えば、「初日カバー」と呼ばれる切手発行当日の消印の切手。買取価格はこのようになっています。

日本初日カバー「ルイス・カバー」：10,000円～
中国初日カバー「年賀切手　申(1980年)」：50,000円～
中国初日カバー「梅蘭芳舞台芸術」：400,000円～

引用元：http://www.premiere-next.com/cover.html

中でも中国切手の初日カバーは中国人富裕層に注目されている切手でもあります。中国切手に消印が入っていたら「初日カバーではないか」と確認しましょう。

切手をより高く売る方法は？切手の買取相場を知ったあとにできることを紹介

切手の買取相場を知ったとしても、必ず相場通りになるとは限りません。逆に、保存状態や査定の出し方によっては相場よりも高くなる場合もあります。ここで紹介する方法を知って、より高く切手を売るようにしてください。

切手の保存状態をよくする

切手は、きれいで汚れがない方が高く売れる傾向です。汚れる原因の一つは切手を指で直接触れることです。指先の汗や皮脂で切手を汚してしまいます。ピンセットを使ったり、手袋をはめてから触るようにしましょう。

また、湿気が多い場所や直射日光が当たる場所に置くのもNGです。切手が内側に丸まったりシミができる原因になります。切手を収集する専用のストックブックに入れて保存するのが望ましいです。

切手が多いときは種類ごとにまとめる

種類ごとに一度整理して査定に出す方が、査定をする人の印象が良いです。整理していれば「切手のことを良く知っているし、大事に使っている」と査定をする人に思われるでしょう。査定額のアップにつながり安いです。

切手専門の買取店へ査定を依頼する

切手買取専門店はプレミアがある切手の存在を知っています。切手について詳しいので価値を良く理解したうえで査定してくれるはずです。対して、リサイクルショップや金券ショップでは他の品物を扱っているため、切手専門の知識を持っていない可能性が高いです。

また、切手買取専門店は様々な切手の流通経路を持っていることが多いです。自分のお店で直接販売したり、コレクターが集まる市場で販売したりできるでしょう。中には海外にも販売ルートを持つ業者もあります。

だから、より高く売れるのです。その分、買取価格も高くなります。

複数の業者に査定をしてもらう

できれば3社以上で査定をしてもらうのが理想です。相場は事前にインターネットで調べることができても、業者が出す実際の買取額と違うことがあります。なぜなら、業者の在庫状況や強化アイテムなど業者には様々な事情があるからです。

また、複数の業者に査定をしてもらうことで、「安く買いたたかれていないか」も判断できます。「他はこの買取額だった」と交渉すれば、ライバルに負けないように高く買取をしてくれる可能性もあります。

切手買取はどこでできる？切手買取相場よりも高くなるケースもあり

最後に切手を買取してくれる業者の違いを紹介します。それぞれに向き不向きがあるので切手の種類によって売るところを変えてみてください。

切手買取専門店

切手買取専門店は特殊切手や中国切手など希少な切手の査定に向いています。専門知識が豊富にあるので相場に合った査定を出してくれるでしょう。ただし、同じ切手でもお店によって買取額に差が生じることがあります。お店の実績や経験の違いがあるからです。

そのため、複数の買取専門店で比較してみるのがおすすめです。

金券ショップ

金券ショップは現行使われている普通切手を売るのに向いています。普通切手は買取率が金券ショップごとに決まっているので、大幅に損をすることはないでしょう。つまり、どこの金券ショップに持って行ってもほぼ相場通りということです。

逆に、希少な切手を持って行ってしまうと、切手の専門知識がないため額面以下の買取額になってしまう可能性が高いです。

ネットオークションに出品

自分で、ネットオークションに出品して売る方法もあります。希少な切手はコレクター同士が競争してくれるので切手専門店よりも高く売れる可能性が高いです。

ただし、切手を出品してもすぐに売れるとは限ません。さらに、トラブルが起きたときも自分で解決しなければなりません。高く売れる代わりにリスクもあることを知ってネットオークションを利用しましょう。