ネット証券で損することはあるの?ネット証券のメリット・デメリットを徹底解説!

「ネット証券で投資を始めてみたいけどデメリットがありそうで怖い」

「ネット証券のリスクや注意点を知りたい」

スマホやパソコンで簡単に始められるネット証券は株式投資をより身近な存在にしてくれました。手数料が安くコストを抑えて株取引ができるなどメリットも多いです。

ただ、初心者がネット証券のデメリットを知らずに投資を始めてしまうのは危険です。大きく損をしたりと思わぬトラブルにあってしまったりする恐れがあります。

そこで、本記事では「ネット証券のデメリットやリスク」を紹介しています。また、デメリットを解消する方法も一緒に説明しているので、参考にしてください。

他にも次のことも分かります。

  • ネット証券の便利なところ
  • ネット証券以外で株を購入する方法
  • 初心者でもネット証券でリスクを抑えて投資する方法

この記事を最後まで読んでいただければ、安心してネット証券で投資を始められるようになるでしょう。ネット証券は怖いと思っていたら前へ進みませんよ。

ネット証券のデメリットをご紹介|危険な部分や注意点を知って後悔しないようにしよう

ネット証券は自宅にいながら口座開設から取引までできるようになるので、初心者でも始めやすいです。その反面、気をつけないと危険な部分もあります。ここで、紹介するネット証券のデメリットを知って、好スタートを切れるようにしてください。

自己責任で注文しなければならない

間違った操作による取引で損をしてしまってもすべて自己責任になります。初心者はネット証券の取引画面に慣れていないから、誤発注をする恐れもあります。もし、100株注文のところを1,000株注文してしまっても、約定してしまったら取り消せません。

スマホやパソコンの画面で簡単に操作できる分、桁数の間違いなど起こる可能性があります。もちろん、操作に慣れてしまえば誤操作はほぼなくなります。最初は慌てず慎重に操作するようにしましょう。

証券会社の担当者はつかない

証券会社の店舗で取引すれば、証券会社の担当者が銘柄についてアドバイスをしてくれたり、リスクの説明をしてくれたりするので安心です。対して、ネット証券では担当者がつかないので、銘柄選びや取引まですべて自分でしなければなりません。

担当者がいないから、間違った注文をしても気づきづらいです。また、初心者は「どんな株がいいのか?」「金融の商品のリスク」など分かりませんが、このようなことも自分で勉強する必要があります。

とは言っても、ネット証券では初心者が安心して取引できる情報を提供してくれる会社が多いです。さらに、最新の経済状況や金融市場の動きも分かるようになっているので、株取引に関する情報はいつでも分かるようになっています。

取引に関するヒントはネット証券のホームページ内にあるので、参考にできるでしょう。

IPO投資が難しい

IPOとは新規公開株式のことです。新しく公開される企業の株式は利益が出やすいため人気です。例えば、2021年3月に初上場した「ココナラ」では11万円の利益が出ました。

上場前の価格(公募) 上場後の価格(初値) 初値売り損益
12万円 23万円 +11万円

ちなみに、企業の株式が証券取引所で売買できるようになることを「上場」と言います。

ココナラのようなIPO株を取引できればいいのですが、IPOによって公開される株式は証券会社によって割り当てが決まっています。つまり、誰もが取引できるわけではありません。

さらに、ネット証券ではIPO株の取扱が少ない

ためIPOをメインとした投資は難しいです。購入できるとしても抽選になってしまいます。IPO株をメインに取引する場合は、複数のネット証券で口座開設をしてチャンスを広げるなど工夫が必要です。

セキュリティ上のリスク

ネット証券はその名の通りインターネットを使って、スマホやパソコンで取引をします。当然、セキュリティ上のリスクがあります。ネット証券側は暗号化技術を使ったりセキュリティ対策を行っていますが、個人で気をつけるべきこともあります。

例えば、取引画面にログインするためのIDやパスワードを誰かに盗まれてしまうと勝手に操作されてしまう恐れがあります。他にも、個人情報の漏洩、不正出金、ウィルス感染などのリスクに注意しなければなりません。

個人としては、パスワードの使い回しをしない、パスワードを定期的に変更するなど基本的な対策は必要です。また、駅や空港、カフェなどにあるフリーWi-Fiに接続して取引しないことも大切です。フリーWi-Fiは不特定多数の人が利用するため情報が発生するリスクが高いです。

個人でできる対策とネット証券側の対策を十分に活用して、ネット証券を利用しましょう。

安定した通信回線がないと取引が厳しい

ネット証券で確実に取引するためには安定した通信環境は必要です。もし、通信回線が不安定だったら、株取引のタイミングを逃してしまう可能性があります。株価は常に変動しているので、1秒遅れただけでも取引不成立で利益に大きな影響を及ぼしてしまいます。

取引する時間帯にインターネットが問題なく使えるかどうかを事前に確認する必要があります。特に夜間は休日は回線の混雑が起こりやすいです。

また、通信環境やパソコンやスマホの動作環境、ブラウザなどはネット証券でも推奨している基準があります。こちらも確認して基準に合った通信やパソコン、スマホを用意するようにしてください。

そもそもネット証券ってどんなもの?デメリットだけじゃなくてメリットもあり

ここではネット証券の特徴やメリットを解説します。証券会社の店舗とは違った魅力を知ってください。

ネット証券とは?

ネット証券はスマホやパソコンを使ってインターネット上で株式を買ったり売ったり、出入金できる証券会社です。個人投資家向けの本格的なネット証券サービスは1998年5月に松井証券で始まりました。現在はネット証券会社は少なくとも20社以上あります。

ちなみに、ネット証券で口座数が業界トップといわれているのが、楽天証券の800万口座(2022年6月時点)です。楽天証券は2016年1月の200万口座から約6年間で600万口座も伸びています。

ネット証券は低料金で気軽に始められることもあり、これから投資を考えている人を後押ししています。今後も楽天証券だけでなくネット証券全体で口座数は伸び続けるのではないでしょうか。

ネット証券で購入できる商品

ネット証券では次の商品が購入できます。

  • 国内株式
  • 外国株式
  • 投資信託
  • 債権
  • FX など
  • 中心となるのは国内株式ですが、投資になれてきたら外国株式やFXなどにも挑戦してみるのもありです。

    ネット証券は手数料が安い

    株式を売ったり買ったりするとき証券会社に手数料を支払う必要があります。手数料が高ければ利益が減ってしまいますが、ネット証券では手数料が安いので利益を出しやすいです。

    証券会社店舗とネット証券の手数料を比較すると次のようになります。

    証券会社名 取引金額(国内株式現物・税込)
    10万円 30万円 50万円
    店舗 野村証券 2,860円 4,290円 7,150円
    大和証券 2,750円 2,750円 6,325円
    ネット SBIネオトレード証券 88円 198円 198円
    DMM株 88円 198円 198円
    SBI証券 99円 275円 275円

    ネット証券の中でも手数料が安いのはSBIネオトレード証券やDMM株です。ネット証券の間でも手数料の安さに違いがある点にも注目しましょう。

    投資情報やセミナーが豊富にある

    ネット証券では以下の表のようにホームページで最新の投資情報や初心者向けのセミナーを提供してくれます。

    楽天証券

    ・投資初心者ガイド

    ・楽天証券で始める国内株式入門編

    ・投資情報メディアトウシル

    松井証券

    ・億トレーダーが語る!投資の成功と失敗

    ・テスタ流テクニカル分析の極意

    ・インフレ・円安対策大公開

    岡三オンライン証券

    ・30万円からできる!株価チャート徹底攻略

    ・マーケット・アナリスト荒野浩の「2022年日本株の行方」

    ・【初心者向け】オンラインセミナー ゼロから始める「NYダウ投資」超入門セミナー

    コラムのように読み物のコンテンツもありますが、セミナーはYouTubeなどで動画配信していることが多いです。専門家のはなしを動画で視聴できるのはありがたいです。

    24時間いつでも取引できる

    実際に株式を取引できる時間は平日の日中です。しかし、ネット証券であれば買い注文や売り注文をいつでも可能です。先に注文をしておくことで、取引時間になったときに約定する仕組みがあるからです。

    平日の日中は仕事で忙しいときでも、仕事が終わったあとや休日に注文を先に済ませておくことができるので便利です。

    ネット証券以外で投資を始めるには?ネット証券にはデメリットがあって難しいと感じる人へ

    ここでは従来の店舗型証券会社について解説をします。ネット証券を利用する人が増える中でも、ネット証券とは違った特徴があります。

    店舗型証券の特徴

    ネットで株式を取引するのが不安だという人は、証券会社の店舗や電話で取引するのがいいです。買い間違いも防げるし、ネット通信環境によるトラブルも回避できます。店舗型の証券会社には次のようなところがあります。

    • 野村証券
    • SMBC日興証券
    • 大和証券 
    • みずほ証券
    • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

    店舗型であればこのような大手証券会社がおすすめです。商品力や情報力があり、専門の営業担当者からのサポートを受けられます。各地域に支店を構えているので近くに支店がないかを確認してみましょう。

    ネット証券と店舗型証券の違い

    ネット証券と比較できるようにメリットとデメリットをまとめました。どちらが向いているかをチェックしてください。

    ネット証券 店舗型証券

    ◎メリット

    ・少額投資ができる

    ・手数料が安い

    ◎デメリット

    ・誤操作で損してしまう恐れがある

    ・セキュリティ面でリスクがある

    ◎メリット

    ・担当者が付いてくれる

    ・投資相談ができる

    ◎デメリット

    ・投資金額が高くなる

    ・手数料が高い

    ◎おすすめの人

    コスパ重視で、自分で取引できる人

    ◎おすすめの人

    ネットに慣れていない、
    専門的なアドバイスが必要な人

    ネット証券は担当者はつきませんが不要な営業や勧誘はありません。営業や勧誘が苦手な人もネット証券が向いているでしょう。店舗型証券は担当者がつきますが「担当者と合う合わないがある」ことには注意を払う必要があります。

    ネット証券のデメリットを解消する方法は?|初心者におすすめの方法を紹介

    ネット証券には誤発注で損をしてしまうなどのリスクがあります。少額であれば勉強代と思ってあきらめもつきますが、大きく損をしてしまったら取り返しのつかないこともあります。

    ここでは、ネット証券のデメリットを抑えながら、投資を始める方法を紹介します。

    ※例示している株価は2022年9月28日時点のものです。

    少額から始める

    株の取引は100株単位と決まっています。仮に、1株5,000円の株があったとしても100株単位だったら、50万円は必要ということです。株の購入資金がかかるので初心者がいきなり100株単位で株取引をするのは危険です。

    そこで、1株や10株単位で購入でき、少額から始められるネット証券を検討してみましょう。

    マネックス証券「ワン株」

    有名企業の株式を1株単位から購入できます。例えば、ソニー、任天堂、日本たばこ産業などがあります。配当金や株主優待などの権利も通常通りです。

    ちなみに、ソニーの株式を100株購入しようとすれば、95万円ほどかかりますが、1株単位なので1万ほどで購入可能です。また、ワン株では買い足しもできるので、資金が増えてきたら買い増しをするのもいいでしょう。

    ワン株は自分で金額を指定しない「成行注文」なので初心者でも購入しやすいです。

    LINE証券「いちかぶ」

    1株数百円から投資できるLINE証券のサービスです。例えば、このような企業の株を1株単位で購入可能です。

    • トヨタ自動車:1,937円
    • メルカリ:2,007円
    • ソフトバンク:1,466円
    • オリックス:2073.5円
    • 楽天グループ:607円

    どれも日常生活で聞き覚えがある企業ばかりです。他にも、3,000円以下で購入できる株も多いです。馴染みのある企業を探すだけでも勉強になります。

    銘柄によっては平日21時まで取引可能です。昼間は仕事で忙しくても帰宅後にゆっくりと銘柄を選んで売買できます。

    PayPay証券

    PayPay証券は1,000円から有名企業に投資できるネット証券です。投資できる企業には世界的に有名な企業も含まれています。「Amazon」「マイクロソフト」「Apple」の株を1,000円で購入して株主になることができるのです。

    また、PayPay証券を利用している人の7割は投資初心者です。1,000円から始められることが魅力になっていると考えられます。資金を抑えて株式投資を始めたい人はPayPay証券も検討してみてください。

    ここで紹介したネット証券は少ない資金で始めることができます。投資金額が低いので多くの利益を期待できません。しかし、株式投資の仕組みを体感したり、株価が上がったり下がったりするタイミングを知るなど勉強のためには向いています。

    初心者向けの資産運用を利用する

    初心者なので企業の株を選んで購入することが難しい、まずは投資の基本から始めたいときには、つぎのような資産運用方法もあります。

    特徴
    つみたてNISA

    ・金融庁に届出された株式投資信託とETF(上場投資信託)が対象

    ・年40万円まで、最長20年間、利益が非課税になる

    ・長期の資産形成をサポートしてくれる

    一般NISA

    ・少額から投資を行うための非課税制度

    ・最大で600万円までの金融商品を非課税で持つことができる

    ・上場株式、ETF、公募株式投信、REITなどが対象

    iDeCo

    ・自分で運用方法を選んで掛金を運用する私的年金制度

    ・掛け金、運用益、給付を受け取るとき税制優遇される

    ・豊かな老後生活を送るための資産形成方法として最適

    いずれの方法もネット証券で始められる資産運用方法です。毎月決まった金額を積立てしていくことができるので、長期間に渡って資産形成できるのが魅力です。ちなみに、一般NISAは通常の買い付けも可能なのでまとまった資金を投資することもできます。

    毎月コツコツと資産を作りながら、投資がどのようなものかコツを掴むのに向いています。株式投資のリスクがやはり怖いという人は、ここで紹介した方法から始めてみましょう。

    ネット証券のデメリットを知れば初心者でもネット証券は利用しやすい

    まだ投資を始めたことがない人にとって、「ネット証券はデメリットがあって怖い」と感じているのではないでしょうか。しかし、デメリットは投資に慣れてくれば解消できるものばかりです。なので、先にデメリットを知ることで初心者として注意すべき点や対策が分かります。

    また、ネット証券では初心者に対する配慮も多いです。初心者向けの講座を提供したり、セミナーを開催したり、初心者の不安を取り除く仕組みがあるので、十分に活用しましょう。それに、少額で始められるサービスもあります。

    ネット証券はあなたの資産形成の力強い味方になってくれます。あなたに合ったネット証券で口座開設をして、投資を始めてみてくださいね。