「いくらで売れるかを知ってから着物を売りたい」
日常で着物を着る機会が少ないため、着物があっても要らないと思う人は多いです。だから、「売れるものであれば売りたい」。でも、「安く買取されるのは嫌」だという気持ちがありますよね?
そこで、本記事では「着物の種類別に買取相場」を調べました。実際の買取事例もあるので、どれくらいで売れるのかが分かります。また、古い着物についても相場を調べています。
他に、
- 高く売れる着物の条件
- 着物を高く売るためのコツ
も分かります。本記事を最後までお読みいただければ、「着物を安く売ってしまう」心配はなくなりますよ。
着物の買取相場はどのくらい?買い叩きに合わず高く売るために知っておくべき買取相場を種類別に発表!
着物といっても数多くの種類があります。ここでは高価買取されやすい着物5種類の買取相場を種類別に発表します。合わせて、帯や和装小物の買取相場も紹介するのでチェックしてください。
振袖
振袖の買取相場は10,000円〜40,000円ほどです。振袖は成人式で着られることが多いですが、その後使う機会がないからと売ってしまう人もいます。振袖には小振袖・中振袖・大振袖の3種類があり、格式の高さで大振袖の買取相場が高いです。
振袖の買取例
バイセル | 東京友禅「大羊居」の振袖など:85,000円 |
着物10 | 千總の振袖(計15点):24,000円 |
着物10 | 藤井寛友禅 (計25点):80,000円 |
訪問着
訪問着は10,000円~30,000円ほどで買取されることが多いです。絵羽模様という華やかな特徴があり、結婚式やパーティーなど着用の機会も多いです。女性であれば1枚は持っておきたいと考える着物でしょう。
訪問着の買取例
バイセル | 白山工房製の訪問着など:30,000円 |
着物10 | 草野一騎(計11点):22,000円 |
OKURA(おお蔵) | 大島紬や訪問着など複数枚:35,000円 |
留袖
留袖の相場は1,000円~50,000円以上と開きがあります。色留袖か黒留袖かでも相場が異なっており、5つ紋でフォーマルな場でも着られる黒留袖が高い傾向です。ただし、色留袖でも五つ紋になれば高く売れる可能性が高いです。
留袖の買取例
バイセル | 百貫華峰作の黒留袖など:67,800円 |
着物10 | 羽田登喜の留袖を含む計10点:117,000円 |
六角堂 | 黒留袖:35,000円 |
浴衣
浴衣の買取相場は数百円~2,000円ほどです。浴衣の元々の販売価格が安いため、大きな買取価格は期待できません。ただし、有名ブランドの浴衣、老舗浴衣として知られている三勝や竺仙などの浴衣は1万円を超える買取もあります。
浴衣の買取例
着物10 | 三勝染の浴衣(計45点):55,000円 |
着物10 | DOUBLE MAISONの浴衣ほか計60点:119,000円 |
着物10 | 岡重謹製の浴衣:69,500円 |
黒紋付羽織袴
黒紋付き羽織袴の相場は、安いときは500円ですが、20,000円以上になる場合もあります。黒紋付羽織袴は男性用のフォーマルな着物で、女性用の着物と比較すると需要があまりないため、どうしても相場は低くなります。ただし、長着・羽織・袴の三点が揃えば高くなる傾向です。
帯
女性用の帯は大きく分けて4種類。高額査定が期待できるのが、丸帯と袋帯です。丸帯は5,000円~20,000円ほどが買取相場。袋帯は20,000円ほどの買取相場になることもあります。また、半幅帯は2,000円ほど、名古屋帯は3,000円~5,000円ほどが相場です。
帯の買取例
福ちゃん | 北村武資袋帯:10,000円 |
バイセル | 袋帯(芭蕉布)を含む着物数点:210,000円 |
着物10 | 龍村平蔵の袋帯を含む計10点:150,000円 |
和装小物
和装小物には、帯揚げ、帯締め、下着、草履をはじめ、和服をより魅力的にするためのアクセサリーなど幅広くあります。基本的に着物よりもかなり安く買えるものが多く、買取相場も100円程度からです。
ただし、最高級品の帯締めとして有名な「有職組紐 道明」、珊瑚や翡翠でできた帯留めなどは高価買取の和装小物があります。
和装小物の買取例
福ちゃん | 草履・バッグ・帯紐など:4,000円 |
バイセル | 帯締めを含む和装小物など:143,700円 |
着物10 | 珊瑚の帯留め等の和装小物を含む和装品 計35点:195,000円 |
古い着物の買取相場はどのくらい?買取価格と高く売れる古い着物の特徴を紹介!
自宅の整理をしていたら見たことがないような古い着物が出てきた場合どうすればよいのでしょうか?実は古くても価値があり高く売れる着物もあるので、一度買取に出してみるのがおすすめです。
ここでは、高く売れる古い着物の特徴を紹介します。
古い着物を買取する理由
古い着物でも状態が良く着られるものは買取をして再販できます。実は、再販する以外にも古い着物を買取する理由が主に3つあります。
一つ目は、レンタル着物として使えるからです。着物を頻繁に着る機会がない人がレンタルすることもあります。また、日本に観光で訪れる外国人向けのレンタル着物としての需要も高まっています。
二つ目の理由は、生地として残せるからです。一部に汚れや破損があったりして、そのまま着るのが難しいときは、裁断し使える部分を生地として使えます。リメイク用の生地にしたり使い方は様々です。
最後の理由は、歴史的な価値がある着物を見つけられる可能性があるからです。「アンティーク着物」とも呼ばれる古い着物もあります。アンティーク着物は現代にはない独特の雰囲気があり人気です。
このように、古くて価値がないと思っても、買取店にとっては価値がある着物があります。「古いから買取してもらえないだろう」と諦めるのは早いです。
高く売れる古い着物の特徴
古い着物の中でもアンティーク着物は高く売れやすいです。ここでは高額買取してもらいやすいアンティーク着物の特徴を紹介します。
有名な着物の産地
沖縄県宮古島の「宮古上布」、奄美大島の「大島紬」など誰もが聞いたことがあるような産地の肝は人気があり高いです。また、大正から昭和にかけて入稿した銘仙着物も産地により特色があります。
有名な産地の着物には証紙(しょうし)や落款(らっかん)があり、これらが一緒に残っていればさらに高い査定になるでしょう。
保存状態
古い着物なのでシミやカビがある着物が多いですが、保存状態がよく綺麗なアンティーク着物は買取価格が高いです。
サイズ
今の日本人の身長に合うような大きなサイズの古い着物は高く買取してもらえます。昔の日本人は現代の日本人よりも身長が小さく、小さいサイズの着物がほとんどです。大きいサイズであれば、仕立て直しで調整しやすいので価値が高いです。
このような特徴があれば古い着物でも、高額査定の可能性があります。
アンティーク着物の買取相場
アンティーク着物の買取例をいくつか紹介します。
六角堂 | 昭和の着物、はぎれなど:15,000円 金剛家蔵の能装束「水衣」:120,000円 |
福ちゃん | 大島紬(証紙付き)など:86,000円 アンティーク振袖:3,000円 |
着物10 | アンティークの打掛ほか計65点:365,000円 アンティークの銘仙ほか計50点:270,000円 アンティークの振袖ほか計27点:189,000円 |
高額査定になっているアンティーク着物は、時代を反映した仕上がり具合、アンティークならではの色使いなども査定の基準に含まれています。
また、アンティークの刺繍や珍しい図案の刺繍が含まれている着物も人気が高いです。さらに、動物や魚、鳥などの紋様が入っているかも査定のポイントになっていることも買取事例から分かります。
着物の買取相場が決まるポイントとは?高額買取のために知っておくべき高く売れる着物の条件を解説
ここでは着物が高く売れるときの条件を解説します。ポイントを知っておくことで、買取に出したときどこを見て査定したか分かります。だから、鑑定士の説明も理解しやすく、「相場に見合った査定金額なのか?」も判断しやすくなるでしょう。
着物の作家
人気作家の着物は知名度が高く、欲しいと思う人が多いため高額査定になりやすいです。特に、人間国宝になっていたり、大手着物問屋と契約していたりする作家は人気です。
人間国宝として認められているのは、次のような作家です。
- 平良敏子(芭蕉布)
- 中村勇二郎(伊勢型紙突彫)
- 小宮康孝(江戸小紋)
- 福田喜重(刺繍)
- 細見華岳(綴織)
また、人気の作家として
- 斉藤三才
- 久保田一竹
- 小森久
などの作家も要チェックです。
着物の作家名は落款(らっかん)で分かります。落款はブランド商品のロゴマークの役割のような存在です。
着物の産地
着物の産地も人気や需要を判断するポイントです。着物の産地は証紙ラベルで分かります。高額買取になりやすい産地は次のようなところです。
- 石川県金沢市…加賀友禅
- 石川県白山市…牛首紬
- 鹿児島奄美大島…大島紬
- 栃木県・茨城県…結城紬
- 沖縄県…琉球びんがた
着物の素材
絹・麻・綿のような天然素材は、高級品の着物に使われる素材です。そのため、絹・麻・綿で作られた着物は高額査定を期待できます。特に、原材料が絹100%で作られた正綿は最高品質なので、さらに高い買取金額になるでしょう。
逆に、ポリエステルでできた着物は高くは売れません。大量生産が可能で、元の販売価格も安いためです。
着丈の長さ
着丈(サイズ)は長いほど高額査定になります。着丈が長ければ、身長が大きめの人に合わせやすいし、仕立て直しで短くすることもできます。短い着丈の場合、大きくすることは難しいです。そのため、着丈が長い着物の方が高く売れます。
ちなみに、高額査定になりやすい着丈の長さは160㎝ほどだと言われています。
着物の状態
汚れやシミがあるよりも新品や未使用に近い着物の方が高く売れます。汚れやシミがあれば、そのまま再販することが難しいです。綺麗にするための手間がかかるため、状態が良い着物よりも割安な査定になっていまいます。
着物の買取相場より高く売るための方法とは?高額で買い取ってもらうためのコツを紹介
同じような着物でも工夫することで査定金額を伸ばすことが可能です。「どのようなことに気をつけて査定に出せば良いのか?」コツを紹介します。
プロの査定士がいる着物買取店で売る
まずは、着物の買取を専門として業者で売ることを検討しましょう。着物に関する知識が豊富なプロの査定士がいるので、着物の歴史的価値や最新の人気傾向などを把握して、しっかりと査定してくれます。
プロの査定士であれば素材の品質も見落としがありません。プロであれば触っただけで正絹とポリエステルの見分けができます。ポリエステルの着物は完成度が高いため、絹と見分けが付かない着物が多いです。
証紙や落款も一緒に買取に出す
着物の産地や作家を証明するのは、証紙や落款です。証紙や落款がないと品質の証明ができないため、評価が下がってしまう場合もあります。また、証紙や落款があれば、買取後に再販するときも、品質証明があるとして販売しやすくなります。
また、証紙や落款がないことで、安く買い叩こうとする業者もいるので注意してください。仮に、証紙や落款がない場合は、実績や信用がある買取業者を利用するようにしましょう。正当な評価で査定をしてくれる可能性が高いです。
複数の買取業者で見積もりをとる
複数の業者を利用し、査定金額を比較するようにしてください。着物買取業者とは言ってもどこも同じ金額になるとは限りません。そのお店の在庫状況や買取強化アイテムによって、金額が変わるからです。
人気の着物はどこの業者も欲しいので、業者同士で買取価格を競い合わせて、より高い銀額を出してくれた業者に売るのも一つの方法です。
着物の買取相場が一番高い買取サービスはどこ?一番高く売れる買取サービスを紹介!
着物はリサイクルショップやフリマアプリで売ることも可能です。着物専門買取店よりも相場が高くなる可能性はあるのでしょうか?
リサイクルショップの着物買取相場
リサイクルショップの着物買取はほとんど値段が付かない場合が多いです。リサイクルショップには着物の知識が豊富な査定士がいないため、正当な判断ができません。そのため、古着としてグラム数で買取価格を出すこともあります。
また、リサイクルショップでは生活雑貨や家電などいろいろなアイテムを販売しています。そのため、着物を買取しても保管や売り場スペースの確保が難しく、着物買取そのものを断っているところがほとんどです。
フリマアプリの着物買取相場
フリマアプリを使って着物を出品すれば、着物専門買取店よりも相場が高くなる可能性があります。ネットを使って着物のことをよく知っている人たちも購入しようとします。そのため、人気の着物であれば競争になり、高額取引になる可能性が高いです。
ただし、フリマアプリを使う人自身も、相場以上に売るためには着物の専門知識を持っておく必要があります。フリマで出品するときに、うまく説明できなければ相場以上の価格になることは難しいでしょう。
相場通りの着物専門買取がおすすめ
着物専門買取であれば、相場に見合った買取をしてくれます。買取店の公式サイトで買取事例があり、相場を把握しやすいのも安心材料です。リサイクルショップでは着物の買取相場は分かりません。フリマアプリで高く売ろうと思えば、手間がかかります。
やはり、着物専門買取で着物を売るのがおすすめです。
着物専門買取はこんな人におすすめ!着物の買取相場を踏まえた上で着物専門買取を利用した方が良いタイプを紹介!
着物専門買取がおすすめなのは、こんな人です。
- 着物をどこで売れば高いのか分からない
- 古い着物を高く売りたい
- 着物と一緒に証紙や落款があるがみてもよく分からない
- 大量の着物をまとめて売りたい
- シミが汚れがある着物を売りたい
着物専門買取であれば、着物の知識が豊富なので、リサイクルショップよりも高額査定になりやすいです。また、証紙や落款を確認し、古い着物でも高く買ってくれます。さらに、出張買取をしている着物専門買取が多いので、まとめ売りにも最適。
シミや汚れがあっても、仕立て直しをしたり、はぎれにしたりできるので、買取をしてくれるとこが多いです。売りたい着物があるときは、着物専門買取を利用してみてくださいね。